動物の糞のにおいは、食べ物に影響されます。
竹を主食とするパンダの糞は臭くないと聞いたことがあるかもしれません。
パンダの糞に関する、あらゆる話をまとめてみました。
植物のにおいがする
パンダの糞は臭いの?
植物のにおいがするから臭くないよ。
パンダの食事は99%が竹です。
しかし、消化器官は肉食動物に近く、竹に含まれる繊維を分解できません。
竹の消化率はわずか20%程度で、ほとんどが糞として排出されます。
そのため、パンダの糞は未消化の竹が含まれているので植物のにおいがします。
食べた竹はほとんど消化されないのか~。
1日40回の糞をする
1日にどれくらいの糞をするの?
約40回だよ。
パンダが糞をする回数は1日約40回です。
パンダは1日の大半を食事に費やし、10~20kg程度の竹を摂取します。
そのほとんどが糞として排出されるので、必然的に回数が多くなります。
パンダの糞は15cmほどで、ラグビーボールに似た形状です。
食べる量が多いから、糞の回数が増えるんだね。
粘膜便
数週間に1度、粘膜便を排出するよ。
パンダは数週間に1度、通常の糞とは異なる白い粘膜を便として排出します。
これは粘膜便と呼ばれる生理現象です。
パンダは主食である竹が腸の粘膜を傷つけてしまうため、定期的に排出して新しい粘膜を作ります。
その際に腹痛が起こり、丸まって動かなくなる場合がありますが、粘膜便を排出すると徐々に元気を取り戻します。
健康上の問題はないので、心配はいりません。
赤ちゃんは親の糞を食べる
パンダの赤ちゃんは、親の糞を食べることがあります。
パンダが竹を消化するためには、消化酵素が必要です。
親の糞を食べることで、消化酵素を生成する腸内細菌を獲得できます。
理由は様々ですが、カバやコアラなど、親の糞を食べる動物は珍しくありません。
糞の有効利用
中国でパンダの糞を再利用したティッシュペーパーが発売されました。
このティッシュペーパーは、複数のパンダ基地から回収されたパンダの糞を滅菌加工して作られています。
糞でティッシュペーパーを作るなんてすごい!
また、北里大学名誉教授の田口文章さんの研究では、パンダの排泄物から採取した細菌を用いると、家庭の生ゴミが90%以上削減できることを示しました。
パンダの糞に含まれる細菌の中には分解能力の高いものがあり、家庭の生ゴミを用いた実験では90%以上が水と二酸化炭素に分解されました。
田口さんはこの研究で、2009年にイグノーベル生物学賞を受賞しています。
イグノーベル賞は、人々を笑わせ考えさせた研究に与えられる賞です。
パンダの糞は人類のゴミ問題解決に、役に立つかもしれません。
パンダの糞が人類に役立っているよ。
(出典:CiNii)
パンダはおならをする
パンダはほかの動物同様、おならをすることがあります。
おならは消化の過程で生成された腸内のガスが排出される生理現象です。
2020年までパンダを飼育していた、カナダのカルガリー動物園のCEOは、インタビューで「彼らはたくさん、おならをする」と回答しています。
(出典:CBC.ca)
まとめ
・パンダの糞は植物のにおい
・1日40回の糞をする
・数週間ごとに粘膜便を排出する
・赤ちゃんは親の糞から腸内細菌を獲得する
食べた竹のほとんどが糞になるよ。