パンダは謎が多い動物です。
カロリーの低い竹を食べて生きている事実に、疑問を感じたことはないでしょうか。
その答えは、パンダの代謝が関係しています。
少し専門的な、エネルギー代謝率の話を紹介します。
パンダはエネルギー代謝率が低い
パンダの主食は竹ですが、消化器官の構造が肉食動物に近いため、栄養を効率的に摂取できていません。
そのことから、パンダはエネルギー代謝率が低いと考えられてきました。
エネルギー代謝率とは、活動で消費するエネルギー量を基礎代謝量で割った数値です。
2015年に発表された研究では、パンダのエネルギー代謝率は同じ体重の哺乳類と比べ33.7%と極端に低いことがわかりました。
これは、ほとんどナマケモノに近い水準です。
哺乳類は基本的に恒温動物ですが、ナマケモノは体温調節能力のない変温動物です。
体温を調節するためにはエネルギーが必要なため、パンダが変温動物のナマケモノと同じエネルギー代謝率というのは驚くべき結果といえるでしょう。
ナマケモノ並みのエネルギー代謝率なのか~。
(出典:Science)
厚い毛皮で体温を維持している
エネルギー代謝率の低いパンダは、厚い毛皮によって体温を維持しています。
パンダをサーモグラフィーで見てみると、毛皮によって体内の熱が逃げずに、表面の体温が低いとわかります。
また、進化の過程で脳や肝臓といった器官が、エネルギー節約のために20~30%縮小したことも、竹を食べて生きられる理由の1つでしょう。
厚い毛皮で体温の放出を抑えているよ。
1時間に20mしか移動しない
パンダは1日の大半を食事と睡眠にあてています。
野生のパンダにGPSの首輪をつけて調べたところ、1時間の平均移動距離が20mだと判明しました。
無駄な活動をせず、エネルギーの消費を抑えているのです。
ほとんど移動しないんだね。
まとめ
・パンダはエネルギー代謝率が低い
・厚い毛皮で体温を維持している
・進化の過程で脳や臓器が20~30%減少
・1時間の平均移動距離は20m
パンダの代謝はナマケモノ並みだよ。