世界中でおこなわれているパンダの繁殖活動には、様々な課題があります。
パンダは繁殖期間が限られている上に、交尾に至るまでに乗り越えなければならない試練がいくつもあるのです。
なぜパンダの交尾は難しいのか、ポイントを知っておきましょう。
繁殖期は年に一度
パンダの繁殖期は年に一度、一般的に2~5月です。
その間、メスの発情期間は2週間、受精できるのは数日間のみです。
パンダは単独行動を好む動物ですが、繁殖期には鳴き声やマーキングでコミュニケーションを取り、オスとメスが行動をともにします。
繁殖期のメスのもとには数頭のオスが集まり、交尾の優先権を巡って争います。
交尾が終わったオスはほかのメスを求めて離れていき、出産や育児には関与しません。
妊娠できる時期が限られているのか~。
繁殖期に見られる行動
パンダはオスが6~7歳、メスが4~5歳で性成熟に達します。
繁殖期のパンダには、次のような特定の行動が見られます。
恋鳴きと呼ばれる独特の鳴き声は、繁殖期特有のものです。
また、水浴びによる体冷やしの増加も繁殖期のサインといわれています。
繁殖期には特定の行動が見られるよ。
パンダの交尾が難しい理由
パンダが交尾までたどり着くのは、簡単ではありません。
メスの受精可能な時期が短いほかに、いくつか理由があります。
メスの好みが激しい
メスはパートナーに対するこだわりが強く、オスから交尾を迫られても相手を気に入らなければ抵抗し、噛みついてしまうことがあります。
繁殖を成功させるためには、相性のいい相手とのマッチングが重要です。
飼育下では複数の個体の中から好みの相手を選ばせると、交尾の成功率が高まるという結果が出ています。
性欲が弱い
パンダは性欲が弱く、繁殖に対する意欲が低いといわれています。
世界の動物園では、パンダが交尾している映像を集めたパンダポルノを見せたり、バイアグラを使用したりと、様々な施策が講じられてきました。
パンダの出産
交尾が成功しメスが妊娠すると、3~5か月で出産を迎えます。
野生のパンダは入口の狭い洞窟や樹洞で出産します。
出産後は2週間ほど洞窟や樹洞にとどまり、絶食絶水で生まれてきた子供の面倒を見ます。
子供が1歳半から2歳半で独立するまで、母親は交尾をおこないません。
繁殖年齢や交尾のサイクルを考慮すると、パンダのメスは生涯で約7回の出産が可能です。
野生のパンダは洞窟などで出産するんだね。
まとめ
・繁殖期は年に一度
・繁殖期には特定の行動が見られる
・交尾には様々な課題がある
・妊娠すると3~5か月で出産する
パンダの交尾は難しいよ。