パンダは高確率で双子が生まれる動物だと、知っているでしょうか。
日本の動物園でも双子のパンダが生まれることがありますが、実は2頭が成長していく姿を見られるのは、当たり前のことではありません。
双子のパンダに関する話を、深掘りしてみましょう。
パンダは高確率で双子が生まれる
パンダの場合、双子が生まれる確率は約45%。
母親のパンダは一度に1~2頭、稀に3頭の子供を産みます。
双子は高確率で生まれますが、野生のパンダはどちらか片方しか育てません。
そのため、母親の母乳は2頭を育てるだけの量が出ないのです。
選ばれなかった方の子供は、すぐに死亡してしまいます。
パンダは双子のうち1頭しか育てないのか~。
ツインスワッピング(入れ替え保育)
野生のパンダは生まれた双子のうち、片方しか育てないと知られています。
しかし、動物園などの飼育下のパンダは、双子が2頭とも育つケースが多く見られます。
もともとは2頭育てることが困難でしたが、ある方法が導入されたことで、双子の生存率は劇的に高まりました。
それは、ツインスワッピング(入れ替え保育)という方法です。
一定時間ごとに子供を入れ替えるという方法で、2頭を交互に育てさせます。
1頭が母親のもとにいる間、もう1頭は飼育員が保護します。
1990年に中国の成都動物園で成功して以降、この方法が広まり、飼育下では双子が2頭とも成長できるようになりました。
パンダの赤ちゃんは、状態を確認したり体重をはかったりするため、定期的に母親のもとから離さなければなりません。
その時に、母親が拒んだり不安がったりすることがあります。
双子をツインスワッピングで育成している際は、母親のもとに常に1頭の赤ちゃんがいるため、かえって余裕を持って飼育できることが多いようです。
ある程度育った段階で3頭を一緒にすると、母親は双子を2頭とも受け入れます。
中には、1頭しか育てていないつもりだったかのように、困惑する様子を見せる母親もいますが、それ以降で育児放棄することはありません。
双子が2頭とも育ち、母親と3頭で過ごす姿は、野生では見られない貴重な光景です。
双子を育てるのは大変だよ。
日本で生まれた双子のパンダ
日本でもこれまで、多くの双子のパンダが生まれてきました。
アドベンチャーワールドでの出産例が多かったですが、2021年には上野動物園で初めての双子のパンダ、シャオシャオとレイレイが生まれました。
日本で生まれた双子のパンダ | 母親 | 誕生日 | 出生地 |
---|---|---|---|
・隆浜(りゅうひん) ・秋浜(しゅうひん) | 梅梅(めいめい) | 2003年9月8日 | アドベンチャーワールド |
・愛浜(あいひん) ・明浜(めいひん) | 梅梅(めいめい) | 2006年12月23日 | アドベンチャーワールド |
・梅浜(めいひん) ・永浜(えいひん) | 良浜(らうひん) | 2008年9月13日 | アドベンチャーワールド |
・海浜(かいひん) ・陽浜(ようひん) | 良浜(らうひん) | 2010年8月11日 | アドベンチャーワールド |
・桜浜(おうひん) ・桃浜(とうひん) | 良浜(らうひん) | 2014年12月2日 | アドベンチャーワールド |
・シャオシャオ ・レイレイ | シンシン | 2021年6月23日 | 上野動物園 |
母親と離れた後も、双子はしばらくの間一緒に飼育されます。
これからも双子が誕生すると嬉しいね。
野生で確認された双子のパンダ
一般的に野生のパンダは双子が生まれても、どちらか片方しか生き残りません。
しかし、2019年に臥龍自然保護区に設置されたカメラが、野生の双子パンダの様子をとらえました。
カメラに映った2頭は、2歳前後だと見られています。
野生下で双子が成長した理由は不明ですが、母親のパンダが極めて強い母性本能を持っており、その土地が2頭のパンダを育てるのに適した条件を揃えていたと考えられています。
まとめ
・パンダは高確率で双子が生まれる
・野生のパンダは1頭しか育てない
・飼育下ではツインスワッピングをおこなう
・双子が2頭とも育つのは貴重な出来事
成長する双子を見られるのは、素晴らしいことだよ。