遠藤秀紀さんは、パンダの第7の指を発見した功労者。
今回紹介するのは、様々な発見をした遠藤さんが、どのような思いで動物の遺体と向き合っているのかを知れる1冊です。
普段見聞きすることがない、専門的なエピソードが読める本書をレビューしました。
概要
タイトル | パンダの死体はよみがえる |
価格 | 770円(税込) |
発売日 | 2005年2月8日 |
著者 | 遠藤秀紀 |
出版社 | 筑摩書房 |
パンダの第7の指を発見したことで知られる、遠藤秀紀さんによる新書です。
遠藤さんが上野動物園のパンダ、フェイフェイ・ホァンホァンの遺体を解剖し、第7の指にたどり着いた経緯が紹介されています。
そのほか、遠藤さんがどのように動物の遺体に向き合っているのか、知ることができます。
専門的な内容が多い本書ですが、読み終える頃にはパンダについて、また動物について、新しい見方を発見できるかもしれません。
動物のその後を知れる貴重な1冊だよ。
内容
第一章 息絶える巨象
第二章 パンダの指は語る
第三章 語り部の遺体たち
第四章 解剖学から遺体科学へ
パンダ以外にもいろんな動物の話があるよ。
レビュー
遺体科学について学べるよ。
トミーです。
少し古い本なので、Amazonで購入して読んでみました。
現在は、電子書籍でも刊行されています。
もちろんパンダの話が目当てで手に取りましたが、それ以外にも様々な動物の話が読めて、知見が深まりました。
私が引き込まれたのは、ゾウの話です。
綺麗な骨を取り出すため、ゾウの遺体を動物園から埋葬場所に運び、土に埋めて2年後に掘り返すという作業が紹介されています。
巨体を埋めるための広い土地、そして浅すぎると腐敗臭が出たりイヌに掘られたりしてしまうため、適切な場所を確保しなければなりません。
研究の裏には多くの苦労があるよ。
一つひとつのエピソードは、当然ですがイメージしたことのない世界でした。
「死体に幸せな未来を求めるのが、私の責務だ」と、遠藤さんは言っています。
本書は普段考えることない動物たちのその後を知れる、貴重な1冊です。
まとめ
・「第7の指」発見のエピソード
・遺体を取り扱う苦労
・ゾウ、モグラ、マングースの話
・解剖学から遺体科学へ
動物のその後を知れるよ。