パンダは絶滅危惧種?数が減った原因は?

パンダは絶滅危惧種?数が減った原因は?

パンダは絶滅危惧種だと聞いたことがある方もいるかもしれません。

実際にパンダは、中国を中心に保護活動がおこなわれています。

近年、保護活動の成果でパンダの個体数は増えてきましたが、そもそも何故数が減ってしまったのでしょうか?

パンダの個体数の推移を見てみましょう。

パンダはレッドリストに掲載されている

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エマ
エマ

パンダは絶滅危惧種なの?

トミー
トミー

レッドリストでは絶滅危惧種として掲載されているよ。

レッドリストは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、絶滅のおそれのある野生生物のリストです。

レッドという響きから危険な生物を掲載していると勘違いされることがありますが、実際は異なります。

トミー
トミー

レッドリストには、絶滅のリスクに応じて、カテゴリーが設定されているよ。

Extinct(EX)絶滅
Extint in the Wild(EW)野生絶滅
Critically Endangered(CR)深刻な危機
Endangered(EN)危機
Vulnerable(VU)危急
Near Threatened(NT)純絶滅危惧
Least Concern(LC)低懸念
Data Deficient(DD)データ不足
Not Evaluated(NE)未評価

絶滅危惧種という言葉を用いる時に、EN(危機)に分類されている動物のみを指す場合がありますが、VU(危急)以上の動物は絶滅のリスクに直面しています。

パンダは2024年現在、VU(危急)に分類されています

以前はEN(危機)に分類されていましたが、個体数が増えたことで2016年に引き下げられました。

各地でおこなわれている保護活動の成果といえるでしょう。

エマ
エマ

前より個体数は増えたけど、まだまだ心配だね。

パンダの個体数の推移

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エマ
エマ

現在、野生のパンダは何頭いるの?

トミー
トミー

約1800頭だといわれているよ。

野生のパンダは中国の四川省を中心に生息しています。

過去に4回、中国政府によって個体数の調査がおこなわれました。

最新の調査では、10年の間に約17%増加していることがわかります。

調査方法が変化したため単純な比較はできませんが、生息地の保護活動が実を結んでいることは、間違いありません。

調査回数調査期間個体数
第1回調査1974~1977年2459頭
第2回調査1985~1988年1216頭
第3回調査2000~2004年1596頭
第4回調査2011~2014年1864頭
エマ
エマ

野生のパンダは確実に増えているんだね。

野生のパンダの個体数が増えたことにより、2016年にレッドリストのカテゴリーがEN(危機)からVU(危急)に引き下げられました

しかし、中国政府は時期尚早と判断し、国際自然保護連合(IUCN)の引き下げを受け入れませんでした。

中国政府が絶滅危惧種から危急種への引き下げに追随したのは、5年後の2021年。

現在も多くの専門家は、厳しい状況は変わっていないと考えています。

パンダの数が減った原因

エマ
エマ

数が増えていることはわかったけど、1970年代にはもっと多くのパンダがいたんだね。どうして一度数が減っちゃったんだろう?

トミー
トミー

竹林伐採や密猟など、いくつか原因があるんだ。

パンダは1980年代に様々な要因によって、個体数が激減しました。

パンダの数が減った原因

・竹林伐採による生息地の減少
・竹の一斉開花による餓死
・毛皮を目的とする密猟

パンダが主食としている竹は、60~120年の周期で開花し、その後枯れてしまいます。

竹はタケノコが生えることで増えていきますが、地下にある幹が繋がっているため、一斉に開花した後は、竹林ごと寿命を終えます

1980年代には、一斉開花が原因で広範囲の竹林が枯れ、数百頭のパンダが餓死しました。

エマ
エマ

竹がなくなると、パンダは生きられないんだね。

竹の一斉開花で竹林が枯れた際、これまでパンダは生息地を移動してきました。

しかし、現在は人間の活動範囲が広がったことで生息地が分断され、移動が困難になってきています。

中国ではパンダを守るために、保護区の拡大や移動経路を復活させる活動がおこなわれています。

パンダはアンブレラ種

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トミー
トミー

パンダはアンブレラ種とみなされているよ。

ある地域の食物連鎖の頂点を、アンブレラ種と呼びます。

アンブレラ種を守ることは、その地域の生態系を守ることに繋がるといわれてきました。

しかし現在では、パンダの保護活動では一部の動物は恩恵を受けられないことが判明しています。

パンダの保護区が設定された1960年代に比べ、個体数が減少した動物を見てみましょう。

パンダの保護区における大型捕食動物の減少

・ヒョウ -81%
・ユキヒョウ -38%
・オオカミ -77%
・ドール -95%

(出典:「Nature Ecology&Evolution」2020年)

ヒョウやオオカミといった大型の捕食動物は、パンダの保護区で個体数が減少しています。

これらの大型捕食動物はパンダ以上に行動圏が広く、パンダの保護区の面積では環境を守るのに不充分です。

これまでアンブレラ種であるパンダを保護することで、間接的にほかの動物たちの生態系も守られると考えられてきましたが、そう単純ではありません。

多くの動物を守るためには、より幅広い視野での保護活動が必要になってきます。

エマ
エマ

動物の生態系は複雑だね。

まとめ

・パンダはレッドリストに掲載されている
・野生のパンダの個体数は現在約1800頭
・1980年代、竹林伐採や密猟で数が減った
・パンダはアンブレラ種とみなされている

トミー
トミー

絶滅の危機はまだ去っていないよ。

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