中国を代表する動物であるパンダは、今では世界から愛される存在です。
長い歴史の中でパンダという存在が、世界からどのように見られてきたのでしょうか。
パンダの歴史を紐解いていきましょう。
古くから中国に生息していた
パンダの歴史は古く、最新の研究では起源がヨーロッパにあると判明しています。
中国にパンダの祖先がやってきたのは、約800万年前です。
中国の古い文献には、パンダと思われる動物がたびたび記述されています。
『書経』では「貔」、『詩経』では「白羆」、ほかにも「貉」「貘」など様々な呼ばれ方をしています。
パンダは古くから中国に生息し、人々に存在を認識されていたようです。
古い文献に記述されているよ。
【1869年】フランスの宣教師が毛皮を発見
1869年、フランスの宣教師アルマン・ダヴィドが、中国で現地人が持つパンダの毛皮を発見します。
博物学者でもあったダヴィドは、後に標本をフランスに送り、パンダの存在をヨーロッパに知らせました。
そして博物学者アルフォンス・ミルヌ=エドワールが、ダヴィドの標本を見てレッサーパンダとの類似点を指摘します。
それまで単にパンダと呼ばれていたレッサーパンダと区別するため、ジャイアントパンダという呼称を用いました。
ダヴィドがパンダの毛皮を見つけた3月11日は「パンダ発見の日」とされています。
パンダがヨーロッパに知られたのは19世紀なのか~。
【1920年代】狩猟ブーム到来
パンダという珍しい動物がいると知り、毛皮を手に入れようと中国まで狩猟をしに行く人々が現れました。
そのようなスポーツハンティングで乱獲され、パンダは個体数を減少させます。
狩猟ブームは、1930年代に中国が狩猟を禁止するまで続きます。
乱獲されて個体数が減ったんだ。
【1936年】パンダがアメリカに渡る
1936年、アメリカのファッションデザイナー、ルース・ハーネスが初めて生きたパンダを中国国外に連れ出します。
アメリカに渡ったパンダのスーリンは、ブルックフィールド動物園で脚光を浴び、メディアにも大きく取り上げられました。
パンダがアイドルのような存在になったのは、この頃です。
初めて生きたパンダがアメリカに渡ったよ。
【1961年】WWFのロゴマークに採用
1961年に設立された世界野生生物基金(World Wildlife Fund)のロゴマークに、パンダが採用されました。
後に名称が世界自然保護基金(World Wide Fund for Nature)となるこの団体は、何度かロゴマークが変更されましたが、いずれもパンダのデザインです。
WWFは世界最大規模の自然環境保護団体。
言葉の壁を越えて愛されるシンボルとして、パンダが選ばれたようです。
WWFは自然環境を守る活動をしているよ。
世界から愛される存在へ
1950年代から中国は、外国に友好の印としてパンダを送り始めます。
俗にいう「パンダ外交」です。
日本には1972年、カンカンとランランが上野動物園に来園しました。
ワシントン条約で個人間の取引が禁止されているパンダですが、現在では中国からのレンタルという形で、様々な国にパンダがいます。
また、中国で野生のパンダを保護する活動が活発になり、順調に個体数が増えています。
これからもパンダは、世界から愛される存在であり続けることでしょう。
パンダは世界から愛されているんだね。
おすすめの書籍
さらに詳しくパンダの歴史を学びたいと思った方に、おすすめの本を3冊紹介します。
どれも読み応えある、パンダの情報が詰まった内容です。
パンダが来た道 人と歩んだ150年
パンダが世界に発見されてからの150年を紹介する1冊。
体系的にパンダのヒストリーを知りたい方におすすめです。
パンダが日本にやってきた!
パンダ来日50周年を記念したフォトブックです。
日本国内におけるパンダの歴史を振り返ります。
中国パンダ外交史
中国がおこなってきたパンダ外交の歴史をまとめた1冊。
パンダと政治に関連する、少し大人向けの内容です。
まとめ
・古くから中国に生息していた
・フランスの宣教師がパンダを発見
・1936年、パンダが初めて中国国外に連れ出される
・世界から愛される存在へ
19世紀にフランスの宣教師が発見したよ。