中国語ではパンダを「熊猫」と表記します。
クマ科のジャイアントパンダからは、熊はともかく猫を連想しにくいでしょう。
どうして熊猫と呼ばれるようになったのか、その理由を丁寧に解説します。
パンダは中国語で熊猫
パンダは中国語で「熊猫」といいます。
読み方はxióngmāo(シューマオ)です。
特にジャイアントパンダを大熊猫(ダーシューマオ)、レッサーパンダを小熊猫(シャオシューマオ)と呼びます。
かつてジャイアントパンダとレッサーパンダは、特徴の共通点などを理由に仲間だと考えられていました。
先に発見されたのはレッサーパンダで、「熊猫」という名称はレッサーパンダに由来しています。
猫のように丸みを帯びている特徴から、「熊猫」という名前が生まれたのでしょう。
中国語では「熊猫」っていうのか~。
パンダの呼称は複数存在していた
フランスの宣教師アルマン・ダヴィドがパンダを発見したのは、1869年。
中国の一部地域にしか存在していないパンダは、それまで世界に知られていませんでした。
世界に発見されるまでの間、中国ではパンダに対して様々な呼称が用いられていました。
中国の古い文献にはパンダと思われる、貘、騶虞(すうぐ)、貔貅(ひきゅう)といった動物が記されています。
また、パンダが世界に認識されてからも地域ごとに呼び方はばらばらで、長らく中国語での呼称は定まっていませんでした。
乱立していたパンダの呼称は、1940年頃に現在の「熊猫」へと統一されていきます。
中国では複数の呼び方があったよ。
もともとは猫熊だった?
1940年頃にパンダを指す中国語となった「熊猫」ですが、一説によるともともとは漢字が逆である「猫熊」だったといわれています。
四川省の博物館がパンダの標本を展示した際、「猫熊」と表記していたところ、記者が読み方を誤って「熊猫」と報道してしまいました。
それ以来「熊猫」という呼称が広まり、定着したと考えられています。
パンダはクマ科の動物なので、もともと「熊猫」ではなく「猫熊」だったという説には、一定の信憑性がありそうです。
ちなみに、台湾では現在も「猫熊」という呼称が用いられています。
台湾語 | 読み方 |
---|---|
猫熊 | māoxióng |
また、一時期英語圏で用いられていた「Cat bear」という呼称の訳語として「熊猫」が生まれたという説も存在します。
「猫熊」のほうがしっくりくるかも?
まとめ
・パンダは中国語で「熊猫」
・レッサーパンダの特徴に由来している
・中国ではパンダの呼称が複数存在していた
・1940年頃に「熊猫」に統一
「熊猫」の呼称は、先に発見されたレッサーパンダに由来しているよ。